デイサービスセンター陶芸教室。
お雛さまが完成したので、
次は「金太郎と熊」を製作中のiemonさん。
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おうちから持ってきた北海道名物の熊の置き物を見本に
作っていきます。
熊の出来栄えはなかなかのものです。
T内さんもしきりに感心しています。
「この背中のラインなんてなかなか出せませんよ。
見本よりこっちの方が熊らしさが出てますよ。」
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はじめの計画では金太郎を熊の背中に乗せるつもりで
作り始めましたが、T内さんがしきりに
「もったいないですよ。せっかくの熊の背中が、、。」
というので、あとから、金太郎は
熊の手前に立たせることになり、再度作り直しをされました。

3人目のひ孫さんが生まれて、お祝いに作っている金太郎です。
昼食後、いつも椅子にもたれて一寝入りされているiemonさんが
力を振り絞って、眠気を振り払って、粘土の前に座られます。

最近は粘土を前にして、「ちょっと寝かせてくださいよ。」と言うことも、、。

老人のみなさんには粘土を触ること自体がけっこう重労働です。

先日の陶芸教室では2人の女性の方が手にギブス!
いつのまにか骨折していたとか、、。

作業はできないけど見せてもらお、と机の周りに座ってくれています。
「昔はこんなことするひまもなかった。商売してたからほんまに忙しかった。」
「商売始めるって勇気がいるでしょうねー。」
と返すと、その横でもう1人のギブスの女性が
「そやけど商売はなかなかおもしろいですよ。」と。
駅のすぐそばで食堂をしていたというI上さん。

「商売してたらいろんな人と話できるでしょ。
うどんやどんぶり作って、お客さんと話しするのが楽しかった。」

戦時中には京都からコメや野菜を買い付けにくる女のひとがいっぱいだったそうです。
「買い付け列車というて、物のない時代やから、みんな必死ですよ。
検問があったからせっかく買った米を取り上げられてねー。
取り上げられんようにみんな着物の下に巻き付けたりしてたわなー。
いわゆるヤミ米や。」

「帰りも駅についたら検問が待ってるから、線路の前に人を待たせておいて
電車の窓から荷物放り投げたりしてなー。みんな必死やった。」

「そんな買い付けの人らも食堂に食べに来てくれてはった。」

滋賀は近江商人の土地。
デイサービスセンターのあるあたりは大きな商店街が栄えていた場所です。
戦時中でもせっせと農作物作って、商売をしていた様子が目に浮かびます。

「はぁ~。大変な時代でしたねー。」というと
2人が声をそろえて「それでも楽しかったですよ。あの頃は。」と。

厳しい時代を懸命に駆け抜けてきた力強さを感じます。
お二人の昔ばなしを聞きながら、
まるで朝ドラでも見ているような気分になりました。

買い付け列車の風景が目に浮かんできます。

昔ばなしを聞く楽しみもある、
デイサービスセンター陶芸教室です。