のらちん工房 

半農半X‥できることからぼちぼちと、夫婦ふたりでやっている工房です。木製サッシを作ったり、無農薬のお米を育てたり、焼き物を作っています。「ホメオパシーセンター滋賀信楽」も併設しています。日々のことなどつづります。

<木製サッシ>
国産杉使用の二重窓(ペアガラス)のサッシです
あたたかみのある手触りの窓です
引きちがい窓、滑り出し窓、網戸など作ります
新築、改装の際はご相談ください

<無農薬のお米>
高地である信楽の山々の美しい水と愛情をいっぱいこめて
安心で美味しいお米づくりをめざしています

<陶器>
ずいぶん前からぼちぼちと夫婦の共同作業です
引き出物など承ります

<ホメオパシー療法>
「ホメオパシーセンター滋賀信楽」を併設しています
ホメオパシーとは、世界で広く使われている代替療法です
「同種療法」で自己治癒力のアップをお手伝いします
JPHMA(日本ホメオパシー医学協会)認定ホメオパス 村木奈々子

<<<お問い合わせ>>>
滋賀県甲賀市信楽町小川376
村木幹也 村木奈々子
nana.m@nike.eonet.ne.jp
TEL 090-3820-2817
090-1140-8534 (木製サッシ)

2016年06月

犬臭い家の中に梅の香りが漂っています。
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完熟してきた梅のなんとも言えないいい匂い。
色もまた美しい。
好きやわー。梅。
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日曜日、近くの山に梅とりに。
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軽トラの荷台に娘2人を乗せて山道を登りました。


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「成ってる、成ってる!」
梅の木の周りには黄色い実が落ちています。
ちょうどよかった。
みんなで興奮しながら収穫しました。
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梅をトラックに積み込み、山のてっぺんで休憩。
てっぺんから景色を眺めると、
「あ!山があんなに削られてる!」
ちょっと見ぬ間にずいぶんひどいことになっていました。

ここらあたりでは、
最近はあちこちで山が削られて
大きなトラックが行き交い、
ソーラーパネル設置の工事が進んでいます。

太陽光発電、、、。
自然エネルギー、、、、。

剥き出しの山を見ると悲しくなります。
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今日も収穫。
畑に落ちてた梅です。

田んぼの中に鹿の足跡があります。
ところどころ、苗が食いちぎられています。
周りの田んぼの苗はすでに立派に成長して
葉っぱも固そうです。
うちの苗が狙われてる!

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鹿除けネットを張りました。
すぐに押し倒されそうなかよわいネットですが
ないよりはましなはず。
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毎日、田んぼを見に行ってるお父ちゃん。
「よーなってきた。いい色になってきた。
サヤミドロが出てたし!」
と嬉しそう。
サヤミドロはいい状態の田んぼに現れるものらしいです。
アミミドロというのも出てきましたが、
これはいいと悪いの中間の状態で出るらしいです。

「やっぱりとろとろ層は正解やったんや。」

ちょっとしたことで喜んだり、がっくりきたり、忙しい。

「お父ちゃん、田んぼが好きなんやな。」
「好きなんやなー。これが。」

「私は栽培するより、あるもん拾うほうが好きやわ。
採集派やわ。」

この時期は落ちてる梅を拾うのが日課になっています。
あるものをいただく派。
植えてもほったらかしにしてしまう。
植物のお世話が苦手な私です。
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今日は今からデッキブラシ。
夕方、みんなで山に梅拾いに行く予定。
育てたり、拾ったり、忙しいです。



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田植えをしてからずいぶん経ちましたが、
苗はそれほど大きくなってきません。
一足先に植えた周りの田んぼはがっちりと根を張り、
ぐんぐん成長しています。
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あまりの成長の違いに毎年心細くなります。
「まだ苗がヒョロヒョロのままや、、、。」
お父ちゃん、不安になっています。
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「まだ根が張ってないもん。とろとろ層では根はなかなか張られへんで。
去年もそうやったやん。」

「とろとろにしたのは失敗やったなー、、、。
もう1回最初からやり直したいなー、、、。
時間を田植え前に戻してくれ~。」
子どもに向かって弱音を吐くお父ちゃん。

「そんなん無理に決まってるし。」と冷たく言われ、

「あ~。無駄なことしてしもたー。」後悔の気持ちでいっぱいになってます。

「人生に無駄なことは何ひとつないらしいで。
でも、去年もとろとろ層にして稲刈りのとき、
トラクターがはまったりして失敗したのに
なんでまた今年もとろとろ層にしたん?」

励まそうと思ってるのに、つい追い打ちをかけてしまいます。
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炭素循環農法をやっている人のサイトを参考にして
あれやこれやとやっています。
トラクターで田んぼの表面を耕して
とろとろの層を作ったのですが
ほんとのとろとろ層は取って付けたようなものではなく、
微生物の層らしいです。

お米作りは1年に1回。
そこがつらいところです。
「あー。今年もあかんかった、、、。」
落胆しているお父ちゃん。

「一攫千金を狙ってるからそんなにがっくりくるねん。
とにかく植えたんやから収穫はあるやん。」
と励ましました。
そんな悠長なことは言ってられませんが、、、。
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デッキブラシで除草しているところに
隣の田んぼのTさんがトラックでやってきました。

トラックから降りて、畦に腰かけて
「そんなに無農薬にこだわらんかてええのに。」
と諭してくれます。
「どんだけうまい米になるんかしらんけど、そんだけ手ぇかけて、
時間にしたら高う売ったとしても割に合わんで。」

「ほんまやねー。
そやけど、やりかけてしもたからなー。
一回やりかけたら、なかなかやめられへんわー。」

Tさん、呆れて笑ってます。
「焼畑農法にしたらどうや?」とか
「合鴨連れてきたほうが楽やぞ。」とか
いろいろとアドバイスしてくれて
「ま、ぼちぼちやれよ。」とトラックで去っていきました。

ということで、今年も大収穫は期待できませんが、
せっかく植えたんやから、ちょっとでも大きくなるように
もうしばらく除草をがんばるしかないなー。
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しばらくは田んぼとともに一喜一憂の日々です。




今日は第3日曜日。
「オーガニック&つながるマーケット」で楽しんでいると
お父ちゃんからの電話です。
「もっちゃん、75センチのヒラメ釣ったで。鯛もいっぱいや。」
(いまだに高校生の息子をちゃんづけで呼んでる親です。)
テスト期間中の休みで部活がオフ。
急きょ「釣り行ってええか~?」と
父子で海釣りへ。
今、魚拓を取り終え
「こんなことしてんの俺ぐらいやで。
今からガッツで勉強するわ!」と。
高校生も大変やなー。
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「釣れたときはどんな気持ちやったん?」
「びっくり仰天やったわ。」

そうやろなー。
こんなヒラメいるんやなー。
恐ろしいほどの大きさです。
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鯛が小さく見えます。
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明日はお魚パーティーですー。


ディサービスセンターの老人の作品がまた焼けました。
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次回の陶芸教室に持って行きます。
皆さんの喜ぶ顔が楽しみです。

昨日の陶芸教室も楽しい話が聞けました。

お酒と植物をこよなく愛する60代、T内さん。
昨日は酒器を作り始めました。
「お酒のない人生なんて。」
とお酒への情熱を語りながら。

93歳視力1.5の超人、Y口さんは
「私は酒飲みが嫌いでねー。
私の父親が飲兵衛でねー。
満州におるのに、奈良の月ヶ瀬から樽でお酒を仕入れてから、
ごはんも食べずに飲んでるの見てたからでしょうね。」
と隣の机で一輪挿しを作りながら話し始めます。

メガネと宝石専門店のおかみさん、N沢さんが加担。
「そやそや。お酒なんか男の人が飲むもんやと思て
手、出したことあらへんわ。うちら、商売を一から始めたから
お酒なんか飲んでる余裕もあらへんだわ。
うちの息子も3人とも飲まへんよ。
お宅ら、余裕があるんやろ。
うちの息子ら、そんな金あらへんのやろ。」

「いやいや、N沢さん。ダイヤモンド売ってて
お金ないことはないでしょうけど
お酒飲まなかったら、経済的でいいですよね。」

「そらそや。商売は厳しいもんやで。」

93歳Y口さんは元、毛糸屋さんの女主人です。
「Y口さん、女手ひとつで商売始めるってすごいことですねー。」
「ほんまや。たいした度胸や。」とN沢さん。

「満州から引き揚げてきたときに、道沿いにずらっと並ぶ
店をうまいこと1軒借りられたんですよ。
あの頃は物がない時代だから、何でもよく売れたんですよ。
私は朝鮮人と仲良くなってねー。
朝鮮人が米飴作るから売ってほしいというから
いいよって並べてやったら、ずらーっと行列ができて
よく売れてねー。
次はイワシの塩漬けが一樽手に入って、
また飛ぶように売れてねー。」

「へー。Y口さんは商売運がいいですね。」

「そうかもしれませんね。
毛糸屋を始めてからも機械編みの上手な編み子さんに
恵まれて、評判がよくなって、機械編みの服がよく売れたんですよ。
注文に間に合わんから、私も子どもを寝かしてから
夜中に編んどると、寝ていた家の人が戸をバッと開けて
「誰がこんなもん、発明したのか!叩き割ってやりたい!」
と怒鳴るんですよ。こっちは一生懸命働いてるのにねー。
そのおかげで子どもたちを大学までやれたんですよ。
それがなかったらあんた、大学どころか高校も出してやれんかった。」

「なんちゅうこと言う旦那さんやろ!ひどいですねー。
昔のだんなさんはえらそうにしてはったんですねー。」

「私はそんなこと言いませんよ。やさしい夫ですからね。」とT内さん。

「今頃、向こうで悪かったなー、言うて笑てんのとちがうか。」とN沢さん。

「いくら忙しくても、なーんも苦にならんかったですよ。
それくらい商売は楽しいもんですよ。」とY口さん。

若いときに満州から引き揚げ、
戦後すぐの日本でたくましく生きてこられたY口さん。
高度成長期の日本で、夫婦一代で時計、宝石店を築きあげたN沢さん。
戦後、捕虜に捕られたお父さんが帰ってきたとき、小さな子どもだったT内さん。

T内さんは自由奔放に「いいことも悪いことも、やりたいことは全部やってきた。」
と豪語されます。
「家の庭を眺めるのが好きなんだけど、
女房や子供に「お父さんはよくそんなに毎日庭を見て飽きないもんだ。」
と呆れられていますよ。毎日見ててもおんなじじゃないんだけどねー。」

「T内さん、それは心に余裕がないとできないですよ。
こんなことしてていいのか、とか焦りの気持ちはないんですか?」

「なんで~?もういつお迎えが来るか待ってる身なのに
まだ何をするって言うの?まだやり残したことがあるの?」

まだまだお迎えは来そうにないですけど。T内さん。

「うーん、、。まだ未練があるなー。」
T内さんの前の席でたぬき制作をしていたK田さんが小さな声で言います。
片足を切断して一命を取り留めたK田さん。義足をつけています。
目もずいぶん悪いようです。

「そうですよねー。私もまだ生きときたいですわー。」

まだまだ人生味わいたいなー。
T内さんのように心に余裕を持って庭を眺められるように。
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いろんな世代のいろんな人生を送ってきた方が
今、わきあいあいと一緒に焼き物を作っています。






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